遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


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母の施設の部屋から見えるお宅のおじいさん。まど・みちお・詩「カニ」

 

母の施設の部屋から見えるお宅のおじいさん。

不在になって随分経ちます。

「病院に入院したんじゃないかしら」と言いますが、そろそろ退院しても良いのでは?

もしかしたら施設に入所したかも。

「庭が草で荒れている」

母はおじいさんを気にしています。

 

「おじいさんも、お母さんに心配されてるなんて思わないでしょうね。

 おじいさんは幸せね」

そんなことを母に言ったら、ふふふっと笑いました。

 

ふと、まど・みちおの「カニ」を思い出して母に読みました。

 

カニカニッとしているのは嬉しい

カニがそれを気づいていないらしいので

なおさら しみじみと・・・

 

ああ こんな私も私っとしていることで

誰かを喜ばせているのかもしれない

私がまるで気づかないでいるとき

いっそう しみじみと・・・

 

そう思うこともできるんかなあ

と私は私の胸をあつくさせた

 

 

「お母さんも、知らないうちに誰かを喜ばせているかもしれないわね」

母に言ったら、「えぇ」っと怪訝な返事でした。