遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


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経験に基づく「認知症の人の心を知ることで介護はスッと楽になる」『マンガ 認知症』心理学老人行動学・専門家監修

 

漫画で認知症を紹介した『マンガ 認知症』 

認知症専門家の先生と、祖母が認知症の漫画家が組んだだけあり、認知症がわかりやすい内容です。

マンガ 認知症 (ちくま新書)

マンガ 認知症 (ちくま新書)

 

 

目次を見ると「そうそう!その理由を知りたいのよ!」というタイトルがつけられています。

 

・ 「お金を盗られた」「強盗にあった」と言うのはなぜ? 

・同じことを何度も聞いてくるのはなぜ? 

・何度注意してもお米を大量に炊いてしまうのはなぜ? 

・突然怒りだすのはどうして? 

 ・高齢者の車の事故はなぜ起きるの?

 ・ 介護者につきまとうのはどうして?

 ・家にいるのに 「 帰りたい 」 と言うのはなぜ?

 ・これってもしかして「 徘徊 」ですか?

・排泄を失敗してしまうのはなぜ?

・介護に疲れ果てました 。 どうしたらいいですか? 

 ・なんでお尻を触るんですかコラー!!

 

介護者が、

「結局、病気だからで割り切るしかなくて、毎日そうやって耐えるしか無いのよ」

と呟きます。

相手が何を考えているかわからない。

わからないことは考えても仕方ないんだから、介護するほうは耐えるしかない。

でも、そのままじゃみんな苦しい。

そこで先生が、認知症患者の心のしくみを理解し、介護が楽になるよう手助けしていきます。

 

 認知症の家族が「お金を盗られた!」と怒り出した時には、

1)「お金は大事だよね」と同意しつつ、探すように促す  

2)介護者が疑われないよう、本人に見つけてもらう  

3)あまりに興奮しているときは声をかけず、静まるまで距離をとる

このように行動すると、良いとされています。

「自分が忘れただけじゃない」「強盗に遭ったと嘘をついて」

よかれと思い正しいことを教えても、認知症の家族は(みんなで私を騙そうとしている!)と妄想が妄想を呼び、虚偽記憶が重なって認知症が悪化してしまうことが本書でわかります。

 

私は普段から、本や記事を読んだりして認知症を勉強しているのですが、認知症の行動は奇行に見えても、本人なりの理由があると言われています。

例えば、家族に否定されてばかりいると、家に居場所が無いと感じて、徘徊がはじまるきっかけになってしまったり。

 

知識としてはあったのですが、母に物忘れの症状がではじめた頃、

「え!?覚えて無いの!?」

実際に体験してみると、見事に驚いてしまいました。

その後も物忘れをしている母の老いを受け入れられず、

「どうして忘れてるの!?あんなに言ったでしょ」

と怒ってしまうこともありました。

そんなことを言ったら、母が傷つくことがわかっているのに。

 

現在は投薬と、計算ドリルなどのリハビリで症状は改善しています。

物忘れはメモを取ることで補えるようになりました。

でもまたいつ、物忘れの症状が進むかわかりません。

 

本書で、田舎の人は1日のスケジュールが慣習化されているので、認知症を患っても、日常生活に支障が出にくい、ことが目からウロコでした。

母は施設に入所してから、朝・昼・晩と食堂で決まった時間にみんなでご飯を食べています。

ご飯の合間の時間に、洗濯、掃除、ドリルなどをこなしています。

こうした何気ない生活が習慣化されてきて3年目。

もしかして、毎日同じ時間に同じことをしているのも母の物忘れの症状が改善した(ように見える)一因かもしれないと感じました。

 

私もある程度の年齢になったら、1日のルーティーンを決めて行動するようにしようかしら(;^ω^)

日常生活に支障が出なければ、最低限のことは自力でできるわけだから、老後生活を最後まで自分で全うできるかも?

 

本書では、認知症の家族が施設でお世話になるタイミングもわかりやすく解説しています。

マンガ 認知症認知症になった家族を理解するのが主な目的ですが、自分が将来、認知症を患いはじめたときにも役立つかもしれないと思います。