熊本県人吉市で3日行われた熊本豪雨の犠牲者追悼式で、遺族代表の言葉を述べた永尾禎規さん(58歳)
「助けてあげられなくてごめんという無念の思いは、今でも同じ」
と、亡き父への思いを話されました。
認知症だった父親(88歳)はその場を動こうとしませんでした。
父親の手を引いたが、「もうよか、もうよか」と言って動かない。
その後も父親の救助を試みたが、水位がどんどん上がり、やがて近づけなくなった。
「当時は何を言っているか分からなかったが、家を一人で守ろうとしたのかもしれない」と永尾さんは振り返った。 (漬物店を営む自宅兼店舗だった)
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このニュースで、認知症の父親を避難させる難しさを改めて感じました。
母親はすぐに避難を理解し永尾さんが背負い、平屋建て自宅の屋上へ上がり助かりました。
認知症の父親を、どうやったら誘導できたのか。
考えさせられるニュースでした。
認知症のご家族がいらっしゃる家庭では、そもそも避難は最後の手段だと考えていると思うんですね。
なるべく自宅で待機させたい。
避難先で「帰りたい」って騒がれちゃうかもしれないし。
トイレや飲食も勝手が違う。
事前に大雨がわかっていればショートステイに預けることは可能かもしれない。
ただ、ショートステイは大人気で、予約はかなり先まで埋まってるから、都合よく利用できるとは限らない。
私のささやかな経験ですが、
「本人のために避難して欲しい」という姿勢より、家族関係が良ければ、家族のためならその気になってくれることもあります。
「お母さんがあっちで騒いで困ってる。一緒に行ってなだめて欲しい」
「孫がじーじを待ってるよ」
など。
認知症が酷ければ「食事に行こう」「あっちに菓子パンがあるよ」、とにかくモノでつるのも、いいかもしれない。
母の施設では、イベントに興味は無くても、イベントで出るスイーツ狙いで、自由参加にもかかわらず、ほぼ全員出席します。