2020年に83歳になった名優アンソニー・ホプキンス。
そのホプキンスが認知症のお父さんを演じた映画『ファーザー』でアカデミー主演男優賞を受賞しました。
インタビューで自身の「父親を思い出しながら演じた」と答えています。
5月14日から公開されています。
映画『ファーザー』は 認知症のお父さんの視点で描かれていて、認知症がどういうことか理解できる、という感想が見られました。
本編映像が少し紹介されている公式動画があって、それを見るとどういうことかわかりやすいと思います。
お父さん「じゃあ奴は?」
娘「誰のこと?」
お父さん「チキンを持って行った奴だ」
娘「チキン?」
お父さん「お前が男に渡しただろ?」
娘「何の話なの?」
お父さん「(怒り気味に)男にチキンを渡しただろ?」
娘「チキンって?何のこと?」
お父さんはイライラして席を立つ...
認知症を患っていると知らずに見たら、ミステリー映画かな?という印象です。
毎日がミステリー映画の主人公。
これが認知症の世界なのね。
映画のお父さんは認知症により幻覚を見るようです。
記憶もあやふやになって、娘の顔が記憶の中の娘の顔と違って戸惑ったり。
観客は「そんな風に見えたり、感じているなら、認知症の家族のあの態度は理解できる」と感じるようです。
先日、母の暮らす施設でのこと。
夜にドアを少し開けて寝る入所者さんがいます。
その部屋へ、認知症の人がフラーッと入って行って、目を覚まして驚いた、ということがありました。
まるでホラー映画。
いやコメディか。
あまり真剣に聞くと、母も嫌な気持ちになると思うので、笑い話として聞くようにしています。