遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


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『私の後始末』曽野 綾子 の(死にざまをみせる)とは?

 

高齢な母が「本を読んでいる」

何を読んでいるか訊ねると曽野 綾子さんの『私の後始末』と言う本でした。

私の後始末 (ポプラ新書)

私の後始末 (ポプラ新書)

 

 

「何度も読んでるの。曽我綾子さんの本はどれも面白い」

というので、どんな内容か聞くと、母は本をどっこらしょと引き寄せて、眺めながら教えてくれる。

 

”「手抜き、ずる、怠け」を上手に使う”でしょ、 

 ”暮らしぶりの優劣と幸福は関係ない”

この方はキリスト教徒だからちょっと考えが、、、なんというか、そういう感じ

 

 (そういう感じってどういうこと?)と心の中でつっこむ私。

 「それから、”死にざまをみせる”」

「え?死にざまをみせる?」

「そう」

「死にざまをみせるってどういうこと?」

えーっと、母はそう言って本を読みはじめる気配がしたので、

「何度も読んでるんじゃないの?」

「いい加減に読んでるから覚えてない」

 

母が言うには、読んでるときは(なるほど!)と感心したり、共感したりするようですが、読み終わると同時にすっかり忘れてしまう。

それって、読んだだけってことよね?

やっぱり母だ。

 

「じゃあ、読んだら”死にざまをみせる”ってどういうことか教えて」

「わかった」

母が覚えていれば”死にざまをみせる”を教えて貰えることになりました。

 

調べたら、『私の後始末』は曽我綾子さんのこれまでの書籍から特に心に響く文章を269集めたものとのこと。

なるほど、母の心に響くわけです。