遠くの両親、わたしの暮らし ~介護保険施設~

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々

最期は自宅で迎えたい人におすすめ『上野千鶴子が聞く、小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』(読書感想レビュー)

最期は自宅で迎えたい人におすすめ
上野千鶴子が聞く、小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』(読書感想レビュー) 

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 両親の身体はボロボロなので、いつ急変してもおかしくありません。

看取りをどうしたらいいか、考えるようになりました。

両親は施設に入所しているので自宅で死ぬことはありません。

しかし、病院ではなく施設で看取れるといいなと思うようになってきました。

そんなとき目にしたのが『上野千鶴子が聞く小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? [ 上野千鶴子(社会学) ]

お医者さんが解答しているので現実的なアドバイスが期待できると思いました。

また、自分が高齢になったときひとりで家で死ねるかどうかも気になったので、読んでみることにしました。

 

 

小笠原先生は2000年に介護保険制度がはじまる前から開業医をはじめ、往診も行っています。

介護保険が使えるようになってから在宅看護のサポートもしやすくなったとおっしゃっています。

制度以前は訪問看護に入れるのは2~3回が限度だったそうですが、制度後はヘルパーが毎日訪問できることもあって、昼は安心して在宅看護を支えられるようになったそう。

(患者の介護度や状況にもよります)

制度以前は、最終的には入院して病院で亡くなるのが定番でした。

 


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そう!そうでした!思い出しましたよ!

私が田舎で暮らしていたとき、往診してくださる先生がいらっしゃいましたが、もう手に負えない状況になると入院させられたものでした。

すると「入院したってことはもうあとわずかな命なんだね」と周囲はわかるわけで、大人がひそひそと声を潜めて話していたのを覚えています。

 

読んでみた結果、読んでよかった!

小笠原先生が実際に経験されたエピソードが書かれているので、そんなことがあるのか!と驚くばかりでした。

在宅ホスピス緩和ケアチームを含めた家族会議で「在宅のまま見送る」と決定した80代のマモルさん。

家族には想定外のいろいろが起きて、最期は手術も受けて病院で亡くなりました。

エピソードを読むと「在宅のまま見送る」と決心してても結果が変わってしまうのがわかります。

「在宅のまま見送る」って気持ちだけではできないと思います。

経験しないとわからない例が満載で、本書を読んで疑似体験でもって経験を積むことができると感じました。

枕元に「救急車を呼ばない。延命治療をしない」を紙に書いて貼っておくのが効果的とあったので、両親の最期を感じたら貼っておきたいと思いました。 

 

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あと金銭的なことも明記しています。

これくらいのお金があればこういうことができると、金額をはっきり書いてくれています。

いちばんお金のかかった例まで!( *´艸`)

自分が望むような在宅の看取りにはどれくらいのお金が必要なのかがわかりやすくてとても参考になりました。

お金が無ければ、

夜の痛みは夜間セデーション

排泄の不安は尿道留置カテーテル

 でどうにかなるようで、お金の無い私としてはホッとしました(;^ω^)


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本書を読んでいて、普通のお医者さんではこういう考え方にはならないだろう、と感じていたのですが、小笠原先生のご実家がお寺で、先生も9歳で僧侶の資格を取って、袈裟を着て檀家回りをしていたと書いてあって納得しました。

9歳でお坊さんのお仕事なんて!とびっくりでしたけど。

でも当時は遺体をリヤカーにのせて火葬場まで運ぶような時代で、資格さえあればお坊さん業ができたのだと思います。

小笠原先生が患者やその家族の気持ちに沿えるのも、僧侶の経験があるからではないでしょうか。

そして近所で名大医学部の先生で僧侶をしていた人がいたので、名大の医学部に進学しお医者さんになられたのでした。

小笠原先生は『在宅ホスピス緩和ケア』を推進しようと奮闘されています。

小笠原先生のいらっしゃる岐阜では『岐阜在宅ホスピス安心ネット』という医師のチームをつくり、万が一主治医が不在でも連携医が対応できるような在宅医療にとりくんでらっしゃいます。

両親や自分の住まう地域ではどんな取り組みがされているのか、日ごろからチエックしておくと自宅看取りの段階になっても焦らないのでは。

  

そう言えば『訪問看護ステーション』の役割をよくわかっていなかったのですが、ステーションがあれば先生の指示ではなく、自分たちの判断で訪問看護ができると知りました。

訪問看護ステーション』と連携がとれているか、かかりつけ医を決定する際の参考になるのではないでしょうか。

読んでみると在宅看取りだけでなく、看護するうえでも参考になることがあるのでおすすめです。