母の部屋から、柿の木が見えます。
「今日はおじさんが柿を取りに来た」
前回、半分柿を収穫したおじさんが再びやってきたようです。
「脚立を使って柿をとるの?」
「おじさんは長いハサミを使って取ってた。どんなのか言ってる意味わかる?」
ははぁ、通販番組で見たことある。
高枝切りはさみ だと思います。
おじさんの高枝切りはさみには「切った枝を落とさないつかみ機能」がついているのでしょう。
感想レビューに、
お隣さんとの境界線を越えて伸びてしまった庭木の枝をカット&キャッチ
と書いてる人がいて、なるほどそういう時にも高枝切りはさみは便利ですね。
「大きい実だけ取っていった。
まだ残っているから、また取りにくると思う」
母は外の様子をバードウォッチングのように楽しんでいます。
あるお宅の庭には、柚子が実っているそう。
「今年の柚子は大きいのよ。
毎年、お正月に家族が訪問して取っていくわ」
施設からの風景は入所時には念頭にありませんでしたが、
こうして母の話を聞くと、窓からの風景も大事だなと思いました。
季節を感じてもらうように、ときどき「紅葉しているか」など質問するようにしています。
電話をしながら、母が外を確認してくれます。