介護老人福祉施設の『看取り』対応の強化 。母の施設で見られる影響。
政府が介護老人福祉施設の『看取り』対応の強化を図っているのをご存知でしょうか?
介護老人福祉施設における看取り介護加算の見直しをし、看取り介護の質向上、介護施設から病院への救急搬送の減少を考えています。
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母の施設ではこの2年で『看取り介護』が増えています。
母が入所した当初は、危篤状態に陥ると救急車を呼び病院へ搬送されて、数日~数ヶ月入院の末にお亡くなりになるパターンでした。
しばらく経って、施設で看取りをするケースが増えてきました。
救急車を呼ぶ代わりに、かかりつけ医を呼ぶのです。
施設が経営方針を変えたのかな?くらいに思っていたのですが、2018年に看取り介護での主治医とケアマネの関係性が改善されたと知り、その影響だったのかもしれないと思いました。
もちろん本人やご家族が病院へ搬送して欲しいという希望があれば、施設は救急車を呼んでいます。
「もうそろそろあの人は駄目だと思う」
母は弱っていく入所者さんを何人も見てきて、死期がわかるようになったと言います。
それまで入所者さんの死期が近づくと、
「病院に連れて行くべき!あれじゃ死んじゃうわよ!」
と憤慨していましたが、今は言いません。
ようやく母も『死』というものを受容してきたように見えます。
「昔の人は死期が近づくと自ら食べないようにしてたんだって!」
どこからそんな情報を得たのか、母がそんな話をしてくれるようになりました。
「でも、お母さんは死期が近づいても我慢できずに食べるだろうね」
私が言うと、母が「そうかしら?」と返事したのには驚きました。
食べることが好きな癖に!
先日、半年ほど前に入所された高齢者が亡くなりました。
その方は末期の癌で「看取り介護」目的で入所された方でした。
母の施設で看取り介護目的の入所を受け入れているとはじめて知りました。
末期癌であればターミナルケアのある病棟で最期を迎える方法もあったと思うのですが、病院に空きが無かったのか?
事情はわかりませんが、その方は「看取り介護」を選択なさいました。
宣告されていた余命より少し長く生きられたそうで、
「そりゃそうよ!ヘルパーさんがとっても面倒みてたもの」
母は一生懸命世話をするヘルパーさんに感動したようです。
「看取り介護してるなら、お母さんは施設で安心して逝けるね」
私が言うと、母は笑って「そうなのよ~!」
まだまだ死なないとお互いに思っているので、できる会話ですし、母は本当にこの施設を気に入っているので話せることです。
でもこういう些細な会話から、母はこの施設で看取り介護をしてもらっても良いと思っているか知ることが出来ます。
折をみて、しっかり確認するつもりではあります。
以前は誰かが亡くなると母はショックを受けていましたが、今は寿命だから仕方ないと言っています。
今度は空いた部屋にどんな人が入所してくるのか興味津々なようです。
母の順応力には驚かされます。