ひとり暮らしの兄死亡。同じ市内に住んでいた弟に連絡無く、無縁仏として処理。
ニュースを読んでショックでした。
2022年4月、元大学教授のIさん(73)が、同じ市内に住んでいた弟に連絡無く、無縁仏として処理されていました。
その不審に気がついたのは50年来の友人のHさん。
どうしてこのようなことが起こったのか?
京都市伏見区役所の醍醐支所の「総務・防災課」から経緯説明があったそうなのですが、なんと2年後!!えー!?
「誰が火葬のOK出したんや」兄はどこへ消えたのか?
最初に異変に気がついたのは、古くからの友人だった。
2022年の4月のこと。
元大学教授のIさん(73)と連絡が途絶えた。 HさんはIさんの学者仲間で、50年来の付き合いがあった。
連絡がとれなくなってもう3か月が経つ。
さすがにおかしい… 思い切って市内のIさんの自宅を訪ねることにした。
すると、郵便受けには郵便物がどっと溜まっている。
ああ、これはただ事ではない
Hさんは、すぐに近所の交番に駆け込んだ。
「警察は第三者に対しては何も言えません」
「調べたかったら弁護士を立てたらどうですか?」
しぶる警察官とともにIさんの家まで行き、周辺を調べた。
警察官とともに近隣の住民に聞き込むと、こんな答えが返ってきた。
「正月明けの朝に救急車で搬送されました。それっきりです」
家に入ることもできず、なんとか親族に連絡を取れないかと考えた。
Iさんには兄弟がいたはずだ。
調べていくと、Iさんの弟夫妻と連絡をとることができた。
Hさんから連絡を受けた夫妻は、寝耳に水だった。
消防に連絡した。
しかし、そこでは詳細を教えてもらえなかったという。
今度は警察に行って尋ねると、搬送先の病院までは知ることができた。
「兄は亡くなったんでしょうか?」
しかし、病院側からしばらく情報の提供はなかった。
ようやく情報が得られたのは、弟がみずから病院に「死亡診断書」の発行を申請してからだった。
「死因 急性心筋梗塞」
兄はこの病院で、確かに亡くなっていた。
“兄に何が起きたのか?最後はどこへ行ったのか?”
行政からも、誰からも何の連絡もなかった。
弟はさらに自力で調べるしかなかった。
3週間たって、たどり着いたのは、市が管理する納骨堂。
宗教宗派の別なく「無縁仏」となった人たちも納められている場所だった。
簡略して紹介しています。詳しくは記事をお読みください。
参照リンク 「誰が火葬をOKした?」 京都市・名古屋市 身寄りない“無縁”遺体増加で 今西一さんの最期は “多死社会” | NHK | WEB特集 | 京都府
記事を読むと、兄弟は疎遠だったわけではなく、お正月にはおせちを届けており、
兄が亡くなったのは1月6日のようです。
頻繁に連絡をとっていなければ、異変が起きていてもしばらく気が付かないでしょうし、兄弟のご近所付き合いも無ければ連絡も無いでしょう。
今回は対応した職員の調べた戸籍の情報の範囲が原因で、弟がいることがわからず、身元不明の無縁仏として処理されました。
市としては間違いの無い処理のようですが、経験が豊かで気の利いた職員であれば、念のためにもう少し範囲を広げて調べてくれたかも。
うまくまわっているほとんどが、意外とギリギリで回避されていることもあるんですよね。
記事の後半に、この兄弟の市のことではありませんが、
市によると、引き取り手のいない遺体の葬儀執行件数は、10年前の平成26年度には58件だったものが、令和4年度には256件と、実に4倍以上に上っている。
一方で、対応にあたる職員の数はほとんど変わっていないという。
とあり、身寄りが不明で無縁仏になる人の数も増えているようです。
無縁仏が珍しく無いことになりつつあり、仕事としてサッサと処理しないと追いつかない市の事情もあるのかもしれません。
このニュースを読んでドキッとした人は、
行政頼りにせず、自分たちで対策しておくのが良いかも。
お財布などに緊急連絡先カードを入れて対策している人はいると思います。
しかし、今回のようにひとり暮らしで倒れて搬送されたら?
玄関のよく見えるところにあれば、救急隊員が気がついてくれるかもしれません。
社会福祉協議会で緊急連絡先やかかりつけの病院などの情報を保管できる 『安心カード』や、各自治体で対策しているところもありますね。