小澤征爾氏が車椅子で指揮をしている動画を見ました。
曲はベートーヴェンの「エグモント序曲」
小澤征爾氏が何度も演奏されている曲です。
とても短い動画ですが、オーケストラが美しく感動しました。
そして指揮を終えた小澤征爾氏が涙を流されるのが印象的です。
宇宙へオーケストラの音を届けるプロジェクトで、SKO & JAXA 共同企画で2022年12月に配信された動画です。
その涙の真意はご本人にしかわからないことですが、見て感じたのは、
小澤征爾氏の指揮を見たことがある方ならわかると思いますが、
車椅子での指揮では満足な演奏意思がオーケストラ全体に送れていなかったと思います。
にもかかわらずオーケストラは最高の演奏をしましたし、
その演奏は確かに小澤征爾氏の音であったことに感動したのだと思いました。
なぜあれほど素晴らしい演奏ができたのか。
ヴァイオリンのコンマスを務めた豊島泰嗣氏はインタビューで、
エグモント序曲は何度も演奏していて、体に染み付いてるからスッと一緒にできたと思うと話されていました。
あのオーケストラの音は昨日、今日に出来上がったものではないのです。
小澤征爾氏の長い歳月が詰まった音だと感じました。
リハーサル姿の小澤征爾氏、とても熱い指導
オーケストラへの情熱がすごい!
いつまでも熱中できることがあるのは本当に素晴らしい。
One Earthプロジェクトの趣旨
「⾳楽を美しい、楽しいと感じる気持ちには、⾔葉も国境も⽂化も年齢も性別も関係ない」、
それは50年以上に渡り、東京、松本はもちろんのこと、ウィーン、ベルリン、パリ、ミラノ、
ロンドン、トロント、シカゴ、ボストンやニューヨークなど世界の第一線で活躍してきた指揮者、
⼩澤征爾の信念である。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、国境や⼈種を超えた「最先端科学技術の追求とその統合」を
目指し、ISSで「様々な国の宇宙⾶⾏⼠が協調しながら、命懸けの挑戦」を続けている。
世界中に広がった新型コロナウイルスの猛威、欧州で起きている戦争による混乱や苦しみや悲しみー
困難な時代に直⾯する私たちは、今こそ、分断ではなく、
同じ「地球⼈」として助け合い、協⼒しあう時である。
小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を4年ぶりに指揮する。
国際宇宙ステーション(ISS)の若田光一宇宙飛行士に向けて生で
ベートーヴェンの「エグモント序曲」を届ける。
史上初めてオーケストラの演奏が、宇宙にひびく。
そして、地球にいる私たちがひとつになる。
⾳楽は⾔葉も国境も⼈種も大気圏も超え、
⼈と⼈の⼼を直接つなぐことができる。
地球にいる私たちは皆同じ⽣き物であり、⼀つである。
One Earth Missionとは、このメッセージを伝えるべく、JAXAの協力のもと、
⼩澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のひかりとなる音を、
ISS “きぼう”に届けるプロジェクトである。
日本の有人宇宙活動史において、毛利衛宇宙飛行士による宇宙初飛行から
JAXAとしての30周年を迎える2022年、
サイトウ・キネン・オーケストラの本拠地であるセイジ・オザワ 松本フェスティバルも
また今年、開幕30周年を迎えている。
87歳の小澤征爾と最も深い部分でピュアに強くつながり、
小澤の音楽的な家族とも言えるSKOとが奏でる音楽が、
性別や年齢、人種や国境ーありとあらゆる垣根を超えて、人と人のこころをつないでゆく。
その音楽は宇宙にいる若田光一宇宙飛行士へも届き、地球規模で、
私たちはみんな一つの星に住む同志なんだと感じ合える——One Earth Mission.
参照リンク ONE EARTH MISSION