母が「また人が入ってくるのよ」と教えてくれました。
今年に入って、亡くなった方が数名、入院して戻って来られそうにないので退所された人もいます。
そう聞くと、その老人施設大丈夫?と思われるかもしれませんが、十年程暮らしている方が何人かいらっしゃって、その方達も「こんなに人が入れ替わるのははじめて!」と驚いているそうです。
今年はそれくらい気温が上がったり、下がったりで、高齢者には厳しかったのだと思います。
特に3月~4月にかけて続けてお亡くなりになりました。
季節の変わり目に施設には空きが出やすいようです。
そう言えば、母の入居先を探していて「ちょうど空きがありますよ」と言われたのは秋でした!
部屋のクリーニングが完了すると、すぐに新しい人が入居されます。
新しく入居されたA男さん。
母によれば「廊下で騒いで怖い!」
入所したてのA男さんは大きな声で、廊下で騒いで、その度に職員さんがなだめに来ていたそうです。
「この前は、部屋のドアから廊下を通る人を監視するように見てたのよ!びっくりしちゃったわ~」
A男さんは認知症のようです。
見た目が普通なので、しばらく認知症だとはわからなったそうです。
A男さんが入所して2ケ月くらいすると、廊下で騒ぐことも段々と無くなり、昼間はデイサービスにも出かけるようになって、人を監視することも無くなったそう。
ある日、施設の自由参加のボランティアさんによる歌の鑑賞に、ひょっこりA男さんが顔を出して、母は驚いたそうです。
A男さんは部屋にこもりきりだったからです。
A男さんは大人しく歌を聞いて、最後にはみんなで合唱して、楽しい時間を過ごしたそう。
A男さんの変わりように母びっくり!
母の話によると、ほとんどの方がA男さんのように最初は挙動不審だったり、騒いでしまうようですが、時間が経てば落ち着くようです。
最初は知らない場所に来て不安なのですよね。
でも慣れてくると居心地が良くなって、生活に馴染んでいきます。
けれども私はそれは職員さんの努力が大きいと感じています。
施設では入所さんがどうしたら安心して暮らせるか、きちんと考えてくれているのだろうな、と。
親がいつまでも馴染めない場合、施設から呼び出しをくらうこともあると聞きます。
そうなると、家族もしんどいですよね。
それに施設に親を預けることに罪悪感も持ってしまいます。。。
親や家族の為に、施設に預けるのが良いと考えての決断のはずなのに、そうなっては悲しいです。
施設で親が楽しそうに暮らしていれば、預けてよかったと思えるはず。
施設を選ぶ際には「親が施設への入所を嫌がっていまして」と伝えたときに、親身になって対応してくれるところが望ましいです。
また認知症の親御さんの場合は、他に認知症の入所者さんがどれくらいいらっしゃるのか聞くのも参考になると思います。
母の施設は、施設長さんがとても気の利く方だと感じていて、細やかなケアにとても感謝しています。