有名なファッションデザイナー、ダイアン フォン ファステンバーグ(77歳)のドキュメンタリー『ダイアン・フォン・ファステンバーグ:すべての女性のために』を見ました。
1973年にブランドの代名詞ともなる幾何学模様のラップドレスを発表し、 500万着売れるヒット商品に。
現在も彼女ブランド・DVFは人気です。
映画「タクシードライバー」でヒロインの女性がダイアン フォン ファステンバーグのラップドレスを着用しています。
ダイアン フォン ファステンバーグのラップドレスは単なるファッションではなく、独立した女性の象徴で、当時の女性の憧れでもありました。
ダイアン フォン ファステンバーグのお母さんはユダヤ人でホロコーストの生き残りで、「子供は望めないだろう」というくらい身体が弱っていましたが、ダイアン フォン ファステンバーグを身ごもり、出産しました。
ダイアン フォン ファステンバーグはエネルギッシュな人物だと、ドキュメンタリーからも伝わってきますが、そんな出産エピソードを聞くと「タフなのは生まれつき」という気もしてきます。
スイスのジュネーブ大学で経済学を学び、在学中に出会ったイーゴン・フォン・ファーステンバーグ公爵と結婚。
ドキュメンタリーで公爵は「王子様」と表現され、結婚したダイアン フォン ファステンバーグは「お姫様」と呼ばれていました。
若い頃のダイアン フォン ファステンバーグが美しい。
ふたりは社交界の花形となります。
とても華やかな人生!
ダイアン フォン ファステンバーグと私の母は同じ歳。
地球の裏側で、こういう人生を歩んでる人もいたんだな。
しかし、華やかなキャリアにかげりが見えはじめ、莫大な負債を抱えます。
同時期に母親がドイツで、ホロコーストの記憶が影響したのかパニックになり、精神がおかしくなってしまいます。
母親は精神病院に入院してしまいます。
約1年で母親は回復し、ニューヨークへ連れていきます。
ある表彰式でダイアン フォン ファステンバーグは、スピーチしました。
「みなさんは私のドレスをご存知ですが、
ご存知ないのは私が生まれる1年半前に、母はアウシュビッツにいた。
私は生存者の子供」
ドキュメンタリーのはじめから、ダイアン フォン ファステンバーグは自身がユダヤ人であることや、それにまつわる不快なエピソードを話していました。
ずっと傷ついてきたのだと思います。
そして皮肉にもそれがダイアン フォン ファステンバーグを成功へと導いたとも思いました。
低迷していたDVFですが、再び市場に戻ってきます。
昨日に紹介した「感情日記」のように、あえて言葉にするのは、囚われている何かから解放されるきっかけになるかもしれない。
ダイアン フォン ファステンバーグは毎年、女性問題への取り組みにおいてリーダーシップ、強さ、勇気を示した 5 人の女性に贈られる「DVFアワード」を創設しました。
2023年DVFアワード受賞者には、ジョージクルーニーの妻でもあり、人権弁護士のアマル・クルーニーが受賞。
アマルは、ISISに奴隷にされたヤジディ教徒の女性や少女、スーダンの民兵やダルフールの政府軍に襲撃された民間人、世界中で投獄されている女性活動家など、著名な政治犯や大量虐殺の被害者を弁護してきました。
DVF Awards 2023動画
ダイアン フォン ファステンバーグは生涯現役なのでしょう。
とてもエネルギッシュな女性で、パワーを感じるドキュメンタリーでした。
『ダイアン・フォン・ファステンバーグ:すべての女性のために』予告