映画『ロングロングバケーション』
舞台はマサチューセッツ州ウェルズリー。
70代の夫婦・エラ(レン・ミレン)と元文学教師のジョン(ドナルド・サザーランド)はキャンピングカーで旅に出かけます。
キャンピングカーは「ウィネベーゴ・インディアン」(75年)
冒頭でもフォードのピックアップトラックが登場するなど、素敵なクラシックカーが見られるのも映画の魅力です。
夫婦の目的は、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ・キーウェストです。
ヘミングウェイのファンは多く、キーウェストを訪れる日本人も多いですね。
実際にヘミングウェイが住んでいた家が「アーネスト・ヘミングウェイ博物館」になっています。
好奇心から調べたら、入場料は19ドル。
日本円が1ドル151円として2869円。
おぉ、結構するじゃない。
リンク Rates/Info — The Hemingway Home & Museum
さて、
高齢夫婦の素敵な旅がはじまる!!
かと思えば、ジョンは アルツハイマー進行中
なんですって!?
日頃、両親の面倒を見ている息子・ウィルが慌てるのは当然。
しかも施設に入所する予定で迎えに来たら両親が旅に出ているのです!
ウィルがここに至るまで、いろいろあっただろうに。
遠方に住んでたまに顔を出す姉は心配しつつも両親の気持ちを優先させようとします。
旅を続けるうちに、問題があるのはジョンだけではないことに気がつきます。
エラも身体に問題を抱えていたのです。
あまりにも無謀な旅に絶句です。
興味深いテーマではあるものの、大事故になりかねない旅に引いてしまいました。
高齢な両親がこういうことをやりかねないぞ!という監督から子供への警告とも取れます。
どうやらエラはアルツハイマーの夫を残して逝けないと考えているようです。
まじか、、、
これってニュースで見かける無理心中的な、、、
これを映画にする理由について、
アカデミー賞に4度ノミネートされ、『クィーン』で主演女優賞を獲得したヘレン・ミレン、
アカデミー賞名誉賞に輝いたドナルド・サザーランドは、
エラとジョンが決断した、人生最後の時間の過ごし方について、
サザーランドは「心から全面的に共感する」と語り、ミレンも「私も賛成よ」と同意したとのこと。
この映画はがきっかけで、さまざまなことを思いました。
もしも、自宅で介護サービスを受けながらやりくりできていたならば、エラもそういう考えには至らなかったのでは。
タイトルから楽しい映画でホロリでもあるのだと思っていたので、思いがけない内容で驚きました。