遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


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不思議でドキドキする怖い話。芥川竜之介・短編小説『妙な話』無料で読書

 

高齢母に芥川竜之介の短編小説『妙な話』をプリントして送りました。

無料で読めます。

 

『妙な話』を読んだ母は、「面白かった」

けれども、なぜ私がこの話を選んで送ったのか少し不思議だったようです。

 

母がこれまで好きと言った作品は、

宮沢賢治の『注文の多い料理店』など、ドキドキするものが多かったです。

 

若い娘が仇討ちを試みる、池波 正太郎『旅路』もハラハラドキドキがあって、面白がってくれました。 

 

『妙な話』は不思議な話で、ドキドキというよりゾッとする感想を持つかもしれません。

けれども「謎の赤帽」の存在が、母をドキドキさせるのではないかと思いました。

 

そして「いったい赤帽とは何なのだろう」と考えてくれるのではないか。

考えることにより、脳が活性化しますから認知症予防にもってこい。

物語は短くて読みやすいわりに内容が濃い!

母に読んでもらうのにおすすめだと思いました。

 

『妙な話』は大人な話でもあります。

1921年に作品を発表したとされています。

1921年(大正10年)3月、芥川竜之介は海外視察員として中国を訪れています。

海外視察員直前まで歌人・秀しげ子と既婚者同士の不倫をしていたとされています。

そしてこの旅行後から芥川竜之介は次第に心身が衰え始めてしまいます。

妙な話は、芥川自身の経験に基づく創作だったのではないか。

そう思って読むと、また違った感想を持つのではないでしょうか。

 

例えば、千枝子の行動の謎は答えがわかっていれば「なるほど」と思うのでは。

 

鎌倉にはある実業家の細君になった、あいつの学校友だちが住んでいる。

――そこへ遊びに行くと云うのだが、何もこの雨の降るのに、わざわざ鎌倉くんだりまで遊びに行く必要もないと思ったから、僕は勿論僕の妻さいも、再三明日あしたにした方が好くはないかと云って見た。

しかし千枝子は剛情に、どうしても今日行きたいと云う。 

参照リンク 妙な話 芥川竜之介

 

情熱大陸のナレーターで知られる窪田等氏が朗読動画をアップしています。

 

 

 

とても良い朗読なのでぜひ。