遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


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夏目漱石『泥棒』、――丸帯と云うのは何ですか、丸帯と書いておけば解るですか、

 


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母に夏目漱石『元日』をプリントして送っていました。

 

夏目漱石 短編集・永日小品に収録されている『元旦』です。

無料電子書籍)で読めます。

 

文庫本は文鳥夢十夜に永日小品も収録されています。

 

母の感想は「よくわからない」

面白味が伝わらなかったらしい。

説明しても、ふーん、と興味なさげ。

「でも、泥棒のやつが面白かった」

あぁ、やっぱりね、母が面白いと思うだろうと思った(だから送ったのだけど)

 

母が面白かったといったのは、同じく、夏目漱石 短編集・永日小品に収録されている『泥棒』のことです。

こちらもプリントしていました。

 

家に泥棒が入ります。

巡査がやってきて盗まれたものを手帳に書きつけます。

 

「繻珍(しゅちん)の丸帯が一本ですね、――丸帯と云うのは何ですか、丸帯と書いておけば解るですか、」

 

繻珍の丸帯?

私も巡査と同じくわからない。

 

調べてみると「繻珍」は、 繻子織りの地に 多色の絵緯 (えぬき) 糸を使って 模様を織り出した絹織物のことで、 もともと中国の織物だったものを 室町時代末ごろから日本でも 織るようになったようです。

袋帯のことで、 いわゆる名古屋帯を指すようです。

ちょっと良い帯を盗まれた、というイメージでしょうか?

 

 

着物より帯のほうが高値で買い取ってもらえるのか?

泥棒は帯ばかり十点盗んでいきました。

 

帯を泥棒するって、昔のお話だなと思いました。

夏目漱石だったら、オレオレ詐欺をどう書いてくれるでしょうか。