母と仲良しの入所者さんで、心臓の手術を受けたSさん。
退院後、お元気そうだったけれど
「この頃、ちょっと変なのよ」
と母が言う。
どうしたの?と聞くと
確かにそれは変だ。
秋になると川沿いに彼岸花が咲いていて、地元で馴染みの深い花。
彼岸花を知らない高齢者はいない。
「・・・あまり気にしないようにしている」
母は言うけれど、会話を楽しめる相手がいなくなった。
Sさんの症状が一時的なものなら良いのだけれど。
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連日、母が「Sさんの様子が、、、」と言う。
気になるものは気になるのだろう。
「心臓の手術を受けて、体が本調子ではないんじゃない?」
「そうかもしれない」
母はそう返事したけれど、まだSさんの症状が不思議みたいで「Sさんの様子が、、、」と翌日には言う。
うーん、私も考えて。
「そうだ!薬のせいじゃない?
術後に処方された新しい薬の影響かも。
Sさんに合って無いか、眠気が強い薬だと頭が回らないと思う」
「そう言えば、Sさんは眠くて仕方が無いと言ってたわ!
薬のせいかもしれないわね」
母にはこの説がいちばん説得力があったらしく、それきりSさんのことについて言わなくなりました。
納得しないと気が済まない母の性格。
「へー、そうなの」と放置してもいいけれど、母の体に良くない気がして付き合うことにしています。