映画『長いお別れ』(感想レビュー)
認知症の父を支える妻と娘たちが過ごした、 あたたかくも切ない、お別れまでの10年の日々が描かれています。
お父さん役に山崎努、お母さん役に松原智恵。
原作は中島京子さんの小説『長いお別れ』
映画『長いお別れ』(感想レビュー)
2007年頃からお話は始まります。
最近と感じますが14年前になります。
この間に、認知症に対する周囲の理解は大きく変わっているのだなと感じました。
認知症の父が自宅にいるのに「かえりたい」と言い出すようになります。
妻や娘は「実家に帰りたいのかな」と思い、実家を訪ねる旅行へ連れ出します。
私は妻や娘の行動がどうも的外れに見えて眉をひそめてしまいました。
家族の想いとは裏腹に、認知症の父は実家について間もなく「帰る」と言い出します。
温厚な妻もとうとう切れてしまいます。
空回りする愛情が切ない。
認知症になると、行動や言動がおかしくなるものですから、家族は隠したがることがあります。
母の施設には認知症の人が多くいますが、遠くから預けに来る人も多いです。
母が言うには、近所の施設だとバレてしまうから、遠くの施設に預けて隠してるのよ、と言います。
認知症になることは恥ずかしいことではありません。
自然な老化現象のひとつだと思います。
しかし、田舎ではどこの誰さんが認知症だとか、どんな症状がでてるとか噂するものです。
そうした噂話をされるのはツライです。