池波正太郎の『旅路』がリニューアル出版されています。
文庫本の文字が大きくなり、読みやすくなりました。
表紙も主人公が描かれて華やか!
時代劇はこれまで読んだことなかったけど読んでみたら、面白かったです。
読み終わった後で、母に送りました。
そしたら母も「面白い!」
あっという間に読み終わり、2回目、3回目と読んでくれました。
母に「ちょっとエッチだけど面白いでしょ」と聞くと、
「そうね、ちょっとエッチだけど、こういうものはエッチじゃないと読まないでしょ」
母は知ったように言います。
滋賀の武家の娘が夫を殺害されて、犯人を追いかけて江戸へいくお話です。
主人公が美人なだけあって困ったことがあると、手を差し伸べてくれる男性が現れます。
しかし、男性に甘えようとする主人公ではなく、なんとか自立して目的を果たそうと奮起する姿勢に好感が持てます。
10代の娘なので若さゆえの考えの甘さはありますが、まぁ、こんなものよね。
不幸な末路を辿る男性がいるのですが、それについて母にいくつか考えを述べたところ
「そんなこと考えもしなかったわ」
読書感想で話が盛り上がるかと思いきや、まったくでした。
母よ、いつもあなたに読解ドリルをさせているのに、その成果はないのか。
登場人物に思いをはせることなく、母は「面白かった」で終わりました。
それでも続けて質問してみると、母なりの意見が出てきました。
物語もちゃんと理解していて、母のほうが私よりも詳しく覚えている場面もありました。
時代劇に馴染みが無い人も『旅路』は面白く読めると思います。
上・下巻ありますが、上巻の最後のほうで「この先どうなるんだろう」と気になって、すぐに下巻も読みたくなる面白さです。
今は施設のお友達に貸し出しているようです。