高齢運転対策、あおり運転の厳罰化した改正道交法成立。東京・池袋暴走が契機。
6月2日、高齢運転対策、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ改正道交法が成立しました。
あおり運転
↓
妨害運転罪
(不必要な急ブレーキ、クラクション、幅寄せ、車間距離の不保持といった10類型)
・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・危険を生じさせた場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
・事故が起きなくても適用する
・行政処分もあり、違反すれば即免許取り消しとする。
高齢運転者対策
・一定の交通違反歴がある75歳以上に対し、免許更新時に実際に車を運転して能力を確かめる運転技能検査(実車試験)を義務付け
・認知機能検査
・高齢者講習
・自動ブレーキなど先進安全機能を備えた「安全運転サポート車(サポカー)」に限って運転できる限定免許を創設
あおり運転は今年6月末頃、
高齢運転者対策は2022年6月までに施行予定です。
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高齢者運転対策は19年4月に東京・池袋で車が暴走し母子が死亡した事件が契機となっています。
池袋で事故を起こした車は、安全運転サポート車で最上級セダンでした。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置なども搭載したサポカーSです。
自動ブレーキを搭載した車(サポカー)よりグレードの高い車です。
ネット上では「自動ブレーキは作動しなかったのか」といった書き込みが相次ぎました。
池袋のケースでは、前方に大きな障害物がない道を暴走し、ハンドルを切っていることなどから、自動ブレーキが作動する条件を満たさなかったとも考えられています。
サポカーだからと言って完全に安心できるわけではないのが現状ですが、今後改善される可能性もあります。
警視庁の発表によると、2019年、
75歳以上のドライバーが第1当事者(ドライバーが過失の最も重い)となった死亡事故を種類別で見ると、
電柱や標識などに衝突する「工作物衝突」が77件、
「出合い頭」が67件、
「正面衝突」が60件、
道路外にはみ出す「路外逸脱」が55件だった。
となっています。
東京・池袋暴走事件のあった2019年、運転免許の返納件数は、過去最多の約60万件に上ったそうです。
サポカーに買い替えるか、免許を返納するか。
移動手段が車以外に無い地域は本当に難しい問題です。
参考リンク サポカーはどこまで安全? 元特捜部長の事故に見え隠れする意外な“盲点”とは(1/3ページ) - 産経ニュース