遠くの両親(介護保険施設)、わたしの暮らし 

脳梗塞で父が倒れ介護保険施設の生活をスタート。遠方で暮らす両親とわたしの日々


スポンサーリンク

誤って線路に立ち入って列車を止めただけで賠償金は1000万円単位!?『高齢者等賠償責任補償制度』【認知症】

 誤って線路に立ち入って列車を止めただけで賠償金は1000万円単位!?『高齢者等賠償責任補償制度』【認知症

f:id:caigo:20200528105348j:plain

故郷の近くの町で『高齢者等賠償責任補償制度』が導入されました。

私の故郷に高齢者等賠償責任補償制度はまだありません。。。

この制度は、例えば認知症の高齢者が誤って線路に立ち入って列車を止めてしまい、損害賠償を鉄道会社から請求された場合に利用できる保険です。

首都圏でラッシュ時なら列車を止めただけで損害額が1000万円単位になることもあるようです。

調べてみると、この制度は愛知県大府市で起きた事故の訴訟がきっかけでした。

 

2007年12月、JR共和駅(愛知県大府市)で認知症の高井良雄さん(当時91)が電車にはねられ死亡する事故が起きました。

JR東海は高井さんの家族に約720万円の損害賠償を請求。

一審の名古屋地裁が全額の支払いを命じた判決をきっかけに、

「責任をすべて家族に押しつけるのはおかしい」

という世論が盛り上がりました。

参考リンク長男が語る「認知症鉄道事故裁判」 全日本民医連


スポンサーリンク

 

 駅ホームのフェンス扉(無施錠)から、認知症の高齢者が線路に降りて起きた事故。

8年後の2016年、最高裁で家族の支払い義務を否定する逆転判決が確定しました。

詳細は認知症鉄道事故裁判 閉じ込めなければ、罪ですか? に書かれています。

  

この訴訟をきっかけに、一部の損害保険会社では個人賠償責任保険の内容の改定が行われ、責任無能力者(認知症の方など)が被保険者の場合、その方に関する賠償事故については法定の監督義務者等も被保険者とするようになりました。

つまり、改定前の被保険者(補償の対象になる人)は同居の親族 → 法定の監督義務者等になり、同居してない方もで対象になっています。

(個人賠償責任補償ですべてのケースをカバーできるわけではありません。

誤って線路に立ち入って列車を止めただけで車両に損害がなくても補償されるのかなど、補償の中身を確認しましょう)

 

また自治体補償も広がり『高齢者等賠償責任補償制度』が設けられるようになりました。

ほとんどの自治体が無料です。

利用条件は各自治体によって異なりますが、昨日に紹介した見守りシールに登録している方を対象にしていることが多いです。

 

高齢者等賠償責任補償制度は 認知症による徘徊行動のある高齢者等が日常の偶然の事故により第三者の身体および財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に補償(限度額あり)するサービスです。

保証する限度額は、各自治体によって異なります。

 

今年の2月から高齢者等賠償責任補償制度をはじめた東京都中野区の保証限度額は3億円。

長野県南箕輪村では来年から「認知症高齢者等見守り支援事業」として個人賠償責任保険に加入する予定で、村が負担する保険料は1人年額1,990円で、補償額は最大5億円です。

長野県南箕輪村の地図を見ると、村に沿って線路(飯田線)が走っています。

そのため保険を設けたのかな。

私は詳しくないのですが、飯田線天竜川に沿って敷かれ、車窓からは南アルプスの山々や、伊那谷の田園風景、天竜川の渓谷等を楽しむことができるため、鉄道ファンや旅行者に人気のある路線なのだそうです。

あ、でも調べたら千畳敷カールはちょっと行って見たいなと思ったことがありました。

そうか飯田線だったのか!

 

話が逸れましたが、お住いの自治体に『高齢者等賠償責任補償制度』があるか確認すると良いと思います。

徘徊する高齢者を対象にしていることが多いですが、幅広い高齢者を対象としている自治体もあり、賠償責任の補償だけでなく、傷害のお見舞い金などが含まれている場合もあるようです。

 

 関連リンク

認知症高齢者を村が支援 来年度から事業開始|ニュース|伊那谷ねっと

ラッシュ時に電車を遅延させた人・親族の末路:日経ビジネス電子版