実家の暮らしと施設の暮らし。母の感想。
母と話をしていて、
「最近、ようやく整理ができるようになったと思う。
以前よりはパッとモノが取り出せるようになった」
と言います。
母は整理が下手で、実家はモノで溢れてました。
「実家でどうやって暮らしてたのかしら?」
母が不思議そうに言います。
「本当に施設での暮らしは快適で楽ちん。もう施設の生活が手放せない!」
母は施設での暮らしが合っていて、心から今の生活を楽しんでいます。
もちろん食事で相席する人がボロボロとモノをこぼしながら食べるのが嫌だとか、不満もありますが、それを差し引いても施設での暮らしを気に入っているのです。
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私の田舎では、親だけの暮らしが難しくなったら同居するか、近くに住んで支えてあげるのが子の役目なところがあるので、母のような体の具合程度で施設に入所するのはちょっと珍しいです。
だから、私には後ろめたさもあったりするのですが、母が今の生活を気に入っていると言ってくれてとても心が救われます。
私の元会社の同僚が転勤になったとき、お母さんが高齢だったのもあり一緒に暮らすことにして引っ越していったことがあります。
独身の彼女はひとりでなんでもこなして、マンションを売り、テキパキと引っ越し先も決めたときは、すごいなぁと感心しました。
再び転勤になったとき、部署も変わって、その部署が大変なところで仕事を辞めようかと思うほどでした。
彼女がそんなことを言うのはよっぽどです。
けれどフリーで仕事はできても、お母さんを支えられるのか?と疑問があったので、
「お母さんのお世話が必要になるだろうから、会社に勤めてたほうが良いと思う」
と伝えました。
私のアドバイスだけではないでしょうが、彼女は仕事を続けました。
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彼女は私とお茶をすると、いつも
「母がパンを好きだから」
と、何かをお土産に買って帰って行きました。
お母様の食が細くなっても、
「これなら食べるかもしれない」
と、必ずお土産を買って帰っていました。
お母様は病気になって介護が必要になって、3~5年したのち旅立たれました。
仕事と介護の両立はとても大変でしたが、お母様のそばで面倒をみて立派だと思うし、母とこうして離れて暮らしてる私には、彼女とお母様との関係がうらやましくもありました。
ときどき母と一緒に暮らすことを想像してみるのですが、
母の性格、費用、地域色などいろいろ考えて、無理だわ!と結論が出てしまいます。