母が読書をはじめました。
本を読むのが好きな母でしたが、高齢になって
「目が疲れるから読書はしなくなった」
と聞いたのが施設に入所した1年半前。
図書館で本を借りては?の問いに対する返事でした。
ところが先日「本を読んでいる」とメールが来たのです。
詳しく聞くと、施設に無料で借りれる本が少しだけ置いてあるのだそう。
何を読んでいるのか聞いてみたら、奥田英朗の『我が家のヒミツ』でした。
読後感の良い家族小説です。
数日後、母がまた読書をしていると言います。
何を読んでいるのか聞いてみたら、高田郁の『花だより みをつくし料理帖 特別巻』
これも施設に置いてあったのかと聞いたら「買った」と言うではありませんか。
へぇー!本を買ってまで読む気になったなんて。
なぜこの本を買ったのか聞いたら、
「表紙がキレイだったから」
あ、、、そういう基準で本を買うのね。
「これ面白いのよ」
調べてみると、みをつくし料理帖シリーズで、かなりの人気の作品でした。
北川景子さん主演で映画になったり、ドラマ化もされていました。
母は昔から本を選ぶのが上手で、コツを聞いてみたのですが、
「いいと思ったのを買ってるだけよ」
私が小学生の頃に『霧のむこうのふしぎな町』を買ってきてくれたことがありました。
これも「パラパラっと見て、いいと思ったので買ってきた」と言っていました。
母が読書を再開したきっかけは「音読」に送ったプリントではないかなと思います。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」は面白くて何度も読んだと話していました。
あと糖尿病の数値が良くなり、身体がラクになったこともあります。
読書は(ただ本を読むだけ)という感覚でしたが、高齢になるとそれさえも難しくなることがあるのだなと感じます。
母がまた読書を再開してくれてうれしいです。