この頃、経済誌でも認知症や介護の特集が増えているように感じます。
本誌によると認知症の85歳以上の発症率は27%、認知症の前段階の軽度認知障害(MCI)の人は認知症とは別にもっと多くの人がいると言われているそう!
認知症が特集されるのもわかりますね。
「離職を考えざるを得ないとき」介護ジャーナリストがおこたえします!
親が認知症などで介護が必要となったら、働く人がまず考えるのが介護休業や介護休暇の利用だと思います。
そう、介護の休みには2種類あるのです。
介護休業と介護休暇の違いについて紹介します。
◆介護休業とは
介護休業とは 「自分が介護を行う期間」だけでなく、「常時介護を必要とする状態」にある対象家族を自分がいなくても介護が機能するように「仕事と介護が両立できるよう態勢を整えるための期間」です。
介護休業申出書を事業主に提出します。
介護休業は通算93日間を最大3回に分けて取得できます。
この間、給料は支払われませんが、介護休業給付金を申請することにより給与の67%が雇用保険から支給されます。
申請手続きは事業主が行いますが、介護休業給付の受給には自らハローワークに赴く必要があります。
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◆介護休暇とは
介護休暇は年間最大5日(介護対象が2人の場合は10日)を、半日単位で取得できます。
介護休暇は法的な賃金の定めはありません。
各企業の就業規則に従うことになり、介護休暇は無給の場合もあります。
そのため、まずは有給休暇を取得する人が多いです。
「在宅介護をするには会社を辞めなければいけないの?」
21年間にわたって認知症の祖母、重度身体障害(身障1級・要介護5)の母、知的障害の弟、の家族3人を1人で介護してきた橋中今日子さんからのアドバイス
勤務先の福利厚生制度に「介護補助金制度」などがないか確認しましょう。
大手企業に会社独自の介護休暇制度が見られることもあります。
例えば伊藤忠商事には最大60日取得できる特別支援休暇があり、介護など家庭の事情で休まざるを得ない場合に有給で休暇を取得することができます。
転職を考える際には、給与だけでなく将来役に立ちそうな福利厚生制度があるかチエックするのもおすすめです。
自治体の福祉サービスを役所で確認してみましょう。
「家族介護慰労金制度」は低所得者向けですが、自治体ごとに設けられている制度もありますから、何か支給を受けられるかもしれません。
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介護休業などを使って、介護の態勢を整えることができます。
しかしその後、仕事が忙しくなったり、親の認知症が徐々に重くなり、ついには退職を願い出る、いわゆる「介護離職」に至ることもあります。
認知症が重くなると夜中に徘徊したりして、介護者の睡眠不足が続き、そのうち限界に達して「仕事を辞めるしかない!」と介護離職に踏み切るのです。
親の認知症の症状に手が負えなくなってきたら、地域包括支援センターやケアマネージャーに改善できないか相談しましょう。
認知症が重度になってくるとグループホームなどの施設への入所を提案されるかもしれませんが、さまざまな介護を視野に入れ、介護離職を避けるようにしましょう。
親の年金で施設料を賄えない場合は、仕事を続けていれば給与の一部を費用に充てることができ、介護の選択肢が広がります。
会社に部署の移動を願い出たり、短時間勤務を相談するのも良いと思います。
管理職の男性で、介護保険サービスを利用しながら、自宅で母親を介護しているドキュメンタリーを見たことがあります。
その男性は、早朝に出勤し定時に帰宅する、という勤務形態を上司の承諾を得て、もう何年もその生活を続けていました。
フルタイム勤務だけど、残業はしない。(残業分を早朝に出勤してフォロー)
なかなかハードな生活だと感じましたが、男性はがんばっていました。
私はやりたくても、体力的に無理だろうな。。。と感じました。
人それぞれだと思います。
自分のできる介護のカタチを模索していくのがおすすめです。
家族に介護が必要なことを会社にカミングアウトできない人は大勢いますが、必要になったら勇気を出して相談し、介護離職を避けて頂ければと思います。