やや認知症のお義母さんとスープの冷めない距離に住む友人とについて思うこと。
「いつでも自宅に帰れる距離にある施設」を提案しては?
先日、友人と電話で話していて、友人のお義母さんの話になりました。
友人はお義母さんの家に毎日行って、ご飯のお世話や雑用をして様子を見ているのだと言います。
そしたら段々と、お義母さんからの呼び出しが増えてきたのだそう。
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「お義母さん、どうもおかしいなぁと思うことが増えて。
様子があまりにおかしいからお医者さんに行ったら認知症だと診断を受けたのよ」
その後、介護認定を受けて、ヘルパーさんに週に一度入ってもらうことに。
しかし「頼んでないから帰ってくれ」とお義母さんが追い返してしまうそう。
友人が説得しても「自分でできるからいい!」
でも、やっぱり身の回りのことができず、友人を何度も呼びだしてしまう。
大した用事でないことも多く、ひとり暮らしの寂しさから呼んでしまうこともあるみたいです。
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「あまりに呼び出しも多いし対応できないから、デイサービスに通わせはじめたんだけど、気に入らなかったみたいで、途中から行きたくないって言いだして。
その度に私が電話してキャンセルすることも増えて、デイサービスも迷惑だと思うから、もう駄目だと思って、お義母さんの気に入りそうなデイサービスを探してきたんだけど、予定を忘れて外出しちゃうのよ!」
もう、ここまでくると笑うしかないでしょ?と友人は言います。
「 あらら、それは大変じゃない!お義母さんはどこへ外出するの?」
聞くと、電車を乗り継いで、遠くの百貨店にまでひとりで出かけてしまうそう。
ひえー!
いつか自力で帰れなくなる日が来るかも、ヒヤリとする私。
認知症の人はこうして行方不明になることもあります。
あっ、でも行き慣れた場所なら帰って来れるのかしら?
認知症ってどれくらいの症状までどこまで許していいのかわからない気がします。
でも今は、そんなことよりお義母さんに振り回されてる友人が大変!
「認知症の薬も飲んでるって言うけど、飲んでないときもあったり。ちゃんと飲んでくださいね、って準備もしておくんだけど、、、薬が嫌いなんだと思う」
友人がお義母さんに精いっぱい尽くしていることがよくわかります。
友人は優しいから怒鳴るようなことはありません。
お義母さんもそんな友人の性格に甘えて呼びだすのだと思います。
「そんなんじゃ、いつかあなたが体調壊すんじゃない?」
「でもなぁ、、、放置できないし、、、」
「でも、もしもあなたに何かあったら、お義母さん生活できなくなるんじゃない?」
友人もこの言葉にハッとしたようで「そうだと思う、、、」
実は友人は以前はお義母さんと同居していたのですが、同居を解消して今に至るので、同居という選択肢はありません。
私は思い切ってアドバイスすることにしました。
「あのね、私の母の施設の入所者さんで、家が近所にあるけど施設に入ってらっしゃる方がいるのよ。
その人はたまに家に帰って、日中は家で過ごして、生活は施設でしてるの。
それだったら施設の人がお義母さんを見てくれるから心配も減るし、今みたいに頻繁に家に行くことも無くなると思う。
お義母さんだって、今の暮らしをずっと続けられないだろうし、施設にいれば孤独も感じないと思うよ。
お義母さんにそういう新しい暮らしも考えてみたら?
もちろん予算にもよるのだけれど。。。」
「あー!たまに家に帰れるなら、それいいかも!」
施設に入所する、となると家から完全に出て行くというイメージが強いようです。
でも足腰が元気な高齢者なら、外出許可をもらって自分で自宅まで帰れます。
何なら家族が自宅にときどき連れて帰ってやればいいのです。
家から出たくないという高齢者には「いつでも自宅に帰れる距離にある施設」を提案することで、施設の入所に前ほどの拒否反応を示さなくなる場合もあります。
距離が離れている施設であれば「自宅に月に1度は帰るようにする」など不安を和らげるような工夫が必要です。
施設での暮らしに慣れれば、自宅に戻りたいという気持ちも薄れることもあります。
特に女性は食事の用意などの家事から解放されるので施設での暮らしは快適に感じるようです。
自宅に世話をしてくれる家族がいた家庭は「帰りたい」という気持ちが強いかも。
母が言うには、いろんな人が入所してくるけれど、生活が落ち着けば大人しくなって、穏やかに暮らすようになるそうです。
介護はそれぞれの生活や性格、症状に合わせて考える必要があるなぁとつくづく思います。
困っていることがあれば、地域包括支援センターや、市町村の相談窓口、介護に詳しそうな友人や知人に話をしてみるとヒントを得られるかもしれません。