85歳に禁固2年の実刑判決という現実。そうなる前に免許返納を説得したい。
先日、90歳の高齢者が信号を無視し、4人を車ではね1人が死亡した事故が起きました。
3月に免許を更新したばかりで運転能力に問題は無いと判断されたとのこと。
家族と免許返納の話はしていたようですが、免許を更新できてしまった手前、それ以上反対はできなかったのでしょう。
そこへ今度は、東京・立川市の病院で乗用車が暴走して2人が死亡した立川暴走事故の判決のニュースが飛び込んできました。
85歳の高齢者に禁固2年の実刑判決。
東京地裁立川支部は「当時83歳と高齢だったが、認知機能の衰えに起因する事故ではない」と指摘。
そのうえで「2人を死亡させた結果は極めて重い」として、弁護側が求めていた執行猶予をつけず、禁固2年の実刑判決を言い渡しました。
禁固2年とは、労働は免れるのものの刑務所に2年入らなければなりません!
85歳で刑務所にこれから2年も入らなければならない。。。
年齢が年齢だけに、刑務所で最期を迎える可能性も考えられます。
自分の母親がもしそんなことになったらとてもつらいです。
でも、2人お亡くなりになっていて、残された家族からしたらたった2年の刑罰。
それもまた考えるだけで苦しい気持ちになります。
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以下、免許返納を説得する方法を挙げていきます。
高齢者に免許返納を説得する方法:警察を頼る。ドライブレコーダーをつける
車にドライブレコーダーを搭載し、日ごろの運転をチエックします。
ヒヤッ!とした場面を高齢な親に見せ、免許返納を促します。
実は「高齢者の安全運転意識向上と免許自主返納の検討などを考えるきっかけに」と一部の警察署でドライブレコーダーの無料貸し出しを行っています。
録画した映像を見て、警察が運転指導や自主返納を検討するように促します。
最寄りの警察署や自治体などで「高齢な親にドライブレコーダーの貸し出しを受けたいんですがありますか?」と確認してみると良いですよ。
貸し出しが無くても、代わりになるサービスがあれば教えていただけます。
また、最近のドライブレコーダーには、運転支援機能付きタイプがあります。
前方衝突警告、車線逸脱警告など警告音でドライブレコーダーが知らせてくれます。
例えば、DRV-MR740ケンウッド前後撮影対応2カメラドライブレコーダー DRV-MR740は警告音や画面表示で危険を警告してくれます。
免許返納を説得するためにも、運転支援機能付きのドライブレコーダーを取り付けてはいかがでしょうか。
警告音を頻繁に聞くようになれば、高齢者が免許返納を考えるきっかけになると思います。
運転支援機能がついている、と言えば取り付けの説得がしやすいのでは。
日ごろの親の運転をチエックすることもできますし、説得する際にも危険な運転を証拠として親に見せることができますので、ドライブレコーダーはおすすめです。
高齢者に免許返納を説得する方法:かかりつけ医にドクターストップをかけてもらう
持病から高齢者の運転を心配することもあります。
その場合、かかりつけ医に相談し、運転をドクターストップしてもらえないかお願いしてみましょう。
お医者さんから免許返納を促されれば、素直に応じることもあります。
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高齢者に免許返納を説得する方法:親しい親戚や、本人が信頼している友人、警察官などに協力を仰ぐ
親しい親戚や、本人が信頼している友人など、第3者が加わることで、家族だけで話し合いをするよりも冷静に話ができます。
自主返納した友達がいれば、より説得力があります。
聞く耳が無いときは、本人にどうして車の運転を続けたいのか、自分はまだ大丈夫だと思っているのかなど黙って聞いてあげてみてください。
途中で話を遮らないようにしましょう。
根気良さが大事です。
最寄りの駐在所で相談すると、自主返納をすすめてくださる場合もあります。
警察官から説得されると、納得する高齢者も多いようです。
免許返納を説得する方法:高齢者の事故をプリントアウトして渡す。
言葉で伝えても他人事だと思ってよく聞いていなかったりします。
高齢者の事故をなるべく多く(数十件)プリントアウトして渡しましょう。
後で読んでくれるかもしれません。
さまざまな事故が起きていることを知らせ、自分もいつか起こしてしまうかもしれないと意識させましょう。
また、事故で他人の命をうばう事故も起きており、刑務所に入る可能性があることも伝えましょう。
免許返納を説得する方法:車の維持費を計算する。高木ブーさんの方法。
便利だからと使っている車。
しかし、実は年間のコストを調べると結構な金額だったりします。
ガソリン代、重量税、オイル交換などに加えて、車検代。
車の維持費と、公共交通機関(タクシー、バス)を利用するのとどれくらい差が生じるのか計算してみて下さい。
場合によっては「こんなに車でお金がかかっているなら辞めよう」という気持ちに傾くこともあります。
免許を自主返納した高木ブーさんも、タクシーはお金がかかるけれど、車の維持費とあまり変わらないし、安全を考えれば免許を返納したほうが良いと思った、というようなことをインタビューでお話になっていました。
実際、母はなんでも父任せでコストについて意識がなかったので、教えてあげたことで車も処分しやすかったです。
これまで車にかけてたお金で、パチンコしたり、ご馳走が食べれるよ、好きなことにお金を使えるよ、と教えてあげるのも効果的な場合もあります。
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免許返納を説得する方法:車の代わりの足を用意する
車の代わりにになる足を見つけてあげる必要があります。
車に乗りたい高齢者は好きなときに好きな場所へ出かけたい目的があるからです。
まずは公共交通機関を一緒に利用する前に下見をしましょう。
私は母に巡回バスの利用をすすめるにあたり、実際にひとりで利用してみました。
お年寄りがたくさん利用していたことや、バスのステップが低くて乗りやすかったこと、バス停にベンチがあったこと、運転手さんが親切だったことなど伝えると、不安で乗ることを避けていた母が利用してみる気になりました。
また事前にルートマップや時刻表もプリントアウトして渡して、予習できるようにしておきました。
「車の運転は危ない!」というだけでなく足を確保するのは大事で、さらに、利用の仕方がよくわからないという不安や失敗を恐れる高齢者の不安を取り除く必要があります。
一緒に公共交通機関を利用して、使い方など教えてみましょう。
田舎だとバスの本数が少なく、さらに電車を乗り継ぐ必要があることもあります。
田舎では高齢者には公共交通機関の利用が難しいときもあります。
家族が車で送迎できない場合は、デマンドタクシーが無いか調べてみましょう。
デマンドタクシーとは予約制の相乗りタクシーで、リーズナブルに利用できるのが特徴です。
病院など主要な場所へ乗せて行ってくれるようになっているはずです。
予約が煩わしいかもしれませんが、それは慣れてもらう必要があります。
タクシーの利用も有効です。
自治体によっては条件を満たす高齢者にタクシーのチケットを配布している地域もあります。
免許の返納をして、運転経歴証明書を所持していればタクシー利用料が1割程度割引になるサービスが受けられることがあります。
タクシー代の出費が月1万8千円、として年間21万6千円になります。
車の維持費(ガソリン代、重量税、オイル交換、車検代など)と変らないのではないでしょうか。
外出が自由にできないことが不満であれば、立地の良いケアハウスや高齢者向けの賃貸住宅の提案してみるのも良いと思います。
免許を更新できたからと言って、安全ではない。
高齢者に実刑判決が下ったニュースを見て、免許を更新できたからと言って、安全ではないと改めて感じます。
テストにさえ合格すればまだまだ運転は大丈夫、ではありません。
考えてみると、認知症で無くても、高齢になると判断力が鈍ってきていたり、その日の体調によって左右されることもありますよね。
高齢になると事故を起こしやすい確率はやっぱり高くなると思います。
免許を更新できたからと言って、安全ではないことを理解してもらう必要があります。