母は朝食、昼食、夕食を施設の食堂で食べています。
先日の夕食のこと。
黒っぽい袋の忘れ物がありました。
「これ〇〇さんのじゃない?」
職員さんが母に声を掛けてくれました。
「私のじゃないです」
母は食事のときに薬を持参するのですが、いつも自分で作ったポーチやバッグに入れています。
職員さんはそれを知っていて母に声を掛けてくれたようです。
でも、母だけでなくそういった薬の袋は他の入所者さんも持っています。
「これ〇〇さんのじゃない?」
再び職員さんが母に質問したそうで(私のじゃないって言ってるでしょう!)母は心の中でカチンときたとのこと。
「それにね、私はそんな地味な袋を持ってたことは一度も無いのよ。見てればわかるはずなのに!考え無しなのね!」
電話口で母が怒ってました。
これはなだめなければ。
「そうねぇ、何度も聞かれるのは嫌だねぇ。でも、本当に間違いないか念を押して聞きたかったんじゃないかな。他の入所者さんは認知症を患ってる方も多いから、1度聞いただけでは自分のだと返事しないこともあるかもしれないし、いつもの癖で2回聞いたとんじゃないの?」
「そういうことなのかなぁ」
母の反応からすると、母は自分がもうろくしている扱いを受けたと感じて怒っていたようです。
母は認知症になることを恐れているので、気持ちはわからなくはありません。
「でも、私にだけ聞いたのよ!他の人も持ってるのに!」
「うーん、、、、お母さんは派手な袋を持ってるから、袋を持ってる印象が強いんじゃないかなぁ。だから聞いたんじゃないかな。他の人は持ってても、地味な袋だから服と同化して気がつきにくいのかも」
私の答えに納得したようで、母の怒りも和らぎました。
職員さんも親切で声を掛けてくれたと思うのですが、高齢者って思わぬところで傷ついたり、怒ったりするんだな。
母に2回聞かないように気をつけようと思いました。